また一つ去っていった
25日の未明に家にいた最後の猫が亡くなりました。
母は生き物が好きで晩年は猫をかわいがっており、多い時で7匹の猫が家にいました。
母が施設に入ってからは、姪っ子が引き取ってくれたりして3匹になりました。
母が亡くなってから間もなく2年。姪っ子引き取ってくれた猫も我が家に残った猫も少しずつ死んでしまい、今日最後の猫が死んでしまいました。
死んだ猫が家に来た頃の写真です。指を嚙んでいます。まだ若いと思っていましたが、写真のファイル名から判断すると080612となっているので、2008年。ということは15歳近くまで生きていたことになる。もっともほかの猫は20年近くでしたが。
この猫は、先住の猫たちと馴染めませんでした。先輩猫に本気で怒られ耳が少し裂けています。それで先輩猫たちは猫専用の部屋から出られなくなりこいつだけが悠々と家の中を歩いていました。
人間の食べる食べ物に興味を示さなかったので、おかずなどを盗み食いすることは一切ありませんでした。それはすごく助かりました。キャットフードしか食べませんでした。
ただ、とてもおしっこ癖が悪く私のクロックスやリュックサックに何度もおしっこをされました。家を出ようとして足を突っ込んだ時に靴がおしっこで濡れているんです。正直何度か殺したろかとも思いました。
上の写真の青い枕にもおしっこをされて洗って干したのですがその上に座っています。またするんじゃないかとドキドキでした。
吐き戻しもとても多かったです。何度も何度も戻したものを踏んでしまいました。
小さい頃は手で抱き着くのがうまくそのままよく嚙まれました。爪は鋭利で痛かったですがひっかくのはしませんでした。痛かったけど甘嚙みだったのかもしれません。
一つだけ芸があり、お手ができました。ご飯時ぐらいしかしてくれませんが機嫌がよいと何もなくてもしてくれました。でもすると不機嫌になり、私以外がお手をさせようとすると「シャー」と鳴いて怒りました。
晩年はこのように肩の上に乗ることも増えました。
この半年ぐらいで明らかに以前の元気がなくなっていました。好きだった爪とぎをあまりしなくなり、とがっていた爪が古い爪を落とせなくなり巨大化するようになりました。
5日ぐらい前から明らかに様子がおかしくなり、動きが少なくなりました。二日前に台所と私の布団で複数のおしっこをした後がありました。昨日も同様におしっこがあったので誰もいなくなった先住猫が閉じ込められていた部屋に連れて行きました。
私が寝るまでは自由にさせていました。動きは遅いですがソファーに上がるなどまだ動いていました。部屋に閉じ込めるとしばらく動かず3回ほど小さな声で短く鳴きました。
で、今日朝起きて見に行くと、死んでいました。
いろいろ迷惑をかけられました。この猫のためにカバンをしっかりしまったり、靴は靴箱に入れるようにしました。この猫のための行動が多くありました。
正直楽になると思いますが、父も母も亡くなり多くの猫も死んで独り身の私にとって唯一の意思疎通のできる相手。所詮猫ですからドライですけど、この猫がいないと家にいる間はさらに空白感が広がります。
ちょっぴり悲しく寂しいですが、問題はこうして一つずつこの世との縁が少なくなっていくことの恐怖。こちらの方が重く心にのしかかります。
かといって無責任にまたペットを飼おうとは思いません。この猫も母の残したものですから最後まで責任を取らないといけませんし。
この歳で独身で彼女もおらず身近に懇意にしてもらえる相手もおらず。老いと孤独といずれやってくる死の恐怖と戦っていかなければいけない。
猫が死んで家にいる時間そのことを考えてしまうことが増えるだろう。
でも、今までそのことに深く気づかせないでいさせてくれた「きなこ」には感謝しなくてはいけないね。
本当にできの悪い飼い主だったけど今までほんとうにありがとう。