一枚の絵に託されたもの
私の仕事は介護職員です。特別養護老人ホームで働いています。
特養へは現在要介護4以上でないとなかなか入所できません。実際のところそのような方は、認知症がよほどきついか余命幾ばくもないような方ばかりです。
私は機能訓練指導員をしておりますが、機能の良化を見込めることは無く会話もほぼ成り立たない中、感謝の言葉を聞けることはなくそんな事より生命の維持も危ない、まあなかなか寂しい仕事であります。会話ができないことをいいことに適当な話をしながら訓練を行うことも多いです。
時々、ショートステイの方も来られることもあります。そんな方はやっぱりお元気です。
本日ショートステイで1週間ほど滞在され明日退所される利用者様よりこのようなものをいただきました。
まあ、塗り絵なんですが。
私にもらってほしいということでした。サインまでしてあります。お礼なのかな?きっとお礼だろう。5回ほどリハビリしただけなのですが、このようなお礼を頂けるなんて・・・
何も渡せるものが無いなかで、何かないかと思いこれを書いてくれたのです。あまり上手に動かせない手でこんなに丁寧に塗ってあります。
ありがとうございます。これは大事にさせていただきます。
私自身の励みに。誠意を尽くすこと。初心を忘れないこと・・・・
この絵には、多くの思いや教訓が詰まっています。